ただただ経営戦略に関する内容を掲載しても、結局どれから手をつけていいのかわからなくなるため、何はともあれ、これだけはまずやって頂きたいというものを厳選しサイトに掲載していきたいと思います。
【記事掲載日】 2015/11/28
【記事の対象者】 中小企業様のうち”他にはない”どこよりも手軽に使える経営戦略のエッセンスを知りたいと考えていらっしゃる方向け 2分34秒で読めます。
———————————————————————————————————————– 経営戦略シリーズ第7回
< 経営=掛け算思考? >
〜実はシンプル。問題が見えてくる話 その6〜
経営戦略シリーズ第1回で「次回は掛け算思考をベースとした経営戦略のイメージを説明していきます」とお伝えしました。 その際に下記美容室の例を挙げました。
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例えば魚津市にA美容室があるとします。
その場合、以下のような掛け算思考で経営戦略を考えていきます。
まずお客がA店を”知る”
×
次にお客がA店に”行ってみたいと思う”
×
次にお客がA店に”実際に”来る
×
次にお客がA店のサービスを受け”また来たいと思う”
×
次にお客がA店に”また来る”
×
次に“採算が合う”価格設定
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そこで、今回は上記流れのうち「お客がA店のサービスを受け”また来たいと思う”」という段階について説明していきたいと思います。
ここで少し売上の方程式について考えたいと思います。
売上を構成しているものは、結局の所、以下の3要素になります。
売上 = 客数 × 単価 × リピート率
どんな活動・施策も最終的にはこれらの各要素を上げるためのものになります。この方程式もやはり掛け算でできており、
「客数を2倍にすること」と、
「客数・単価・リピート率の各要素を現在の1.3倍にすること」
は、売上に与えるインパクトは同じなんです。
少し不思議な感じもしますが、もし、来年までに売上を2倍にするという目標を立てた時、お客さんを現在の2倍にするというと、感覚的にかなり難しいと感じるかもしれませんが、「客数と単価とリピート率」をそれぞれ少しずつ改善し1.3倍にするという目標に変えれば、もの凄く現実味が出てくるのではないでしょうか。
少し話がそれましたが、上記の例の通り、実際に売上アップを目指す際には、売上の方程式に従って、”各要素を少しずつ”改善することが一番現実的です。そして、今回お話させていただくのは、各要素のうち「リピート率」の部分です。
ここで、リピート率を上げるためにはどうしたらいいかという質問をすると、よく「技術の向上」といった言葉が返ってきますが、実際、カリスマ美容師やゴットハンドと言われるレベルまでいかない限り、お客さんには大きな違いはわかりません。
これは、あえて技術の向上を無視してもいいという話ではなく、技術だけでお客さんに満足してもらい、口コミを起こしてもらい、さらに紹介してもらうというやり方は現実的ではないということをお伝えしたいのです。
実際、皆さんがこれまで利用された美容室で技術だけで満足したお店はほとんどないのではないでしょうか。
それよりも、前回来店した時のカット・メニュー・会話・悩みなどを覚えてもらっていたり、オススメのシャンプー・美容品・流行を教えてもらったり、雰囲気が良かったり、待たされずスムーズにサービスが受けられたといったカット・カラー・パーマ技術以外のオペレーションが良かったためにリピートすることにしたケースの方が多いのではないでしょうか。
そして、もう一点、これまで利用してきた美容室や友人が口コミしていた美容室が”これまでに見たことのない日本一の美容室”だったことはほぼないのではないでしょうか。
それでも、富山県に在住している約1,064,009人(平成27年10月現在)が数ヶ月に1回は近くの美容室を利用しています。
つまり、全く新しい施策でなくても、また、日本一の技術を持っていなくても、他店より少しでもいいサービスをすることで着実に業績は改善します。
日本一のアイデアよりも少しいいサービスを着実に”実行”するというスタンスが大切です。
今日は、本題に入る前にどういったスタンスで取り組むかという話で時間がきてしまいましたので、リピート率向上の具体的な策は次回にしたいと思います。
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今日のポイント
・売上の方程式
売上 = 客数 × 単価 × リピート率
・思っている以上にお客は技術以外を見ている
・奇策よりも少しいいサービスを着実に実行する
次回は「リピート率」向上に向けた具体的な話を書いていきたいと思います。
それでは、お楽しみに。
アドバンスそして未来へ〜